公営施設の稼働率向上兼緊急時の避難所解錠に対応できる鍵受渡システム 第三章
(更新)
こんにちは。
営業第2グループのJohansson(ジョハンソン)です。
今回は現在稼働しています、鳥取市 スマート予約システム について紹介します。
内容は長いので、複数の投稿に分けて公開しています。
こちらは第3章となり、まだ読んでいない場合は第一章から読んでいただく事をお勧めしています。
目次
- 導入経緯・システム概要・導入ポイント
- 機器構成・システムフローについて
- ユーザー(市民)のメリット・システム拡張/改善案及び横展開について
前章に、システム構成とシステムフローについて説明しました。
この最後の投稿ではシステムを使っているユーザー(市民)様がどの様なメリットがあるかについて考えます。また、システムに機能を拡張することで、どのように改善できるかを検討してみます。最後に本案件とは別に、どのようなところに役立てるかも考えていきます。
ユーザー(市民)のメリット
安心して体育施設を利用
コロナウィルス感染症の感染拡大防止の為、速やかに対応できる様にシステム構成をしています。必要に応じて、管理者側より体育館の貸出を一時停止したり、再開したりすることができる様になっています。又、一括メールにて関係している団体に広報を発信することができ、至急に状況が変わった時にも対応できます。
コロナウィルス感性症が拡大している状況でも安心して体育館を利用頂き鳥取市のスポーツ振興に寄与します。
当時提案書の抜粋
アクセサビリティ・透明性
スマート予約システムを導入するまでは予約の受け付けや鍵の受渡は各地区体育会に委託していました。管理方法は予約を帳簿で管理していたため、管理者に電話や電子メール等でお問合せするか、直接管理者に帳簿を確認するしか予約状況を確認する方法がなかったそうです。施設の予約状況をWebで一般公開した事により、市民に体育施設はどの程度稼働しているかも確認できるようになりました。また、予約をデータ化したことにより、実際の稼働率を集計し、データに基づいた決断補助を得たとも言えます。
急に体育施設を使用する必要がある場合(選挙、大会等)は臨時に予約停止やキャンセルを行うことができます。キャンセルされた団体に対して、自動的にメールにて通知しますので、自分の所属団体に関する最新情報をすぐに知ることができます。
健康づくり
充実した市民のスポーツ環境を提供していたが、アクセサビリティ―・透明性を改善した事により、より多くに市民に情報を届けることができます。それに伴って市民に運動の機会を増やしています。最終的に市民の健康向上につながると考えています。更に、Withコロナの時期に叫ばれてきた「三密」の「密接場面」は有人で鍵の受渡しをやめたことにより回避できる効果もあります。
セキュリティ担保
個人情報の管理等、セキュリティが担保された仕組みをご利用頂けます。
各施設にそれぞれ情報を帳簿で管理していましたが、スマート予約システムを導入したことにより、全拠点を同一のフォーマットで管理する様になりました。それに伴って、だれ見ても把握ができ、管理しやすくなっています。施設の利用履歴の記録と、施設内を監視カメラで撮影していることにより、施設を利用される方々が気にすることになり、施設をより大切に扱っていただくことや鍵の紛失防止にもつながると考えています。
災害時の避難所開放
体育館は避難所として利用される事がありますが、鍵がかかっていることにより、開放業務は有人で行う必要があります。万一災害発生した際はいかに早く体育館を開放できることが重要ですが、開放方法によって要する時間が変わるでしょう。導入までの管理方法の場合は管理者は体育館の近くにいないか、何らかの理由で避難所までいけない可能性がありましたが、本システムに遠隔開錠機能が付いている為、管理者が近くにいなくても避難所を開放することできるようになりました。
特に街から離れた施設には役所に鍵を取りに行くことが困難で、災害によっては土砂崩れや倒木等で取に行けない事も考えられます。その為、前章に説明した通り、スマート予約システムの導入を検討された際は携帯電話回線を利用してインターネットに接続する仕組みが必要と判断していました。
学校環境とは別、独自の回線を使用することにより、学校のインターネットが停電等で切断しても接続できる仕組みとしています。電源は根本的に分けられなかったのですが、バックアップバッテリーを接続したことにより、停電の場合でも一定の時間システムが稼働し続けます。稼働している間に現地の鍵ボックスを遠隔より解錠ができ、速やかそして遠隔で避難所を開放することができます。
システム拡張/改善案及び横展開について
鍵の受渡業務を無人化するニーズは近年増えてきていると考えています。少子高齢化と都市化による人手不足とコロナウィルス感染症による政府の方針が原因だと思います。本システムは小中学校体育館の受渡業務を無人化にする為に作られましたが、他の機能の追加や構成の工夫をすることで、さらなる付加価値を加え、無人化における別のトラブルやニーズに応えられるようになるのではないかと思います。以下は本システムを取り組んでいる間に話題として出た案のいくつかを紹介します。
決済機能
スマート予約システムに決済機能を加えることで、施設利用者に課金ができる様になります。予約を完了する前に決済を行わないとワンタイムパスワードが発行されないイメージです。自治体に関しては施設や設備の整備を維持する為に課金をしてもおかしくありません。つまり、古くなった体育館を回収されたお金で設備の購入・回復や、コートの境界線の塗り直しなど、より充実した施設を提供できることも考えられます。
鳥取市の場合は当日から1ヶ月先の予約を開放しています。使うかどうかが分からないまま「とりあえず予約する」と仮押さえする人もいるでしょう。そのまま利用するならば問題ありませんが、予約だけして使わないと、他に使いたかった団体がいた場合は使えません。課金を導入すれば、仮押さえする前に再検討するインセンティブになります。こんな様に無駄予約/仮押さえ等、予約システムの弱点を減らせるメリットもあると考えます。
鳥取市 スマート予約システム とタイマー連動
今回の導入の主役となっているiDoorsですが、前章に説明した通り、本来の使い方は扉の電気錠と接続して、入退室管理のシステムですが今回鍵管理ボックスに設置して稼働する様にほかの使い方も多々あります。
鳥取市の小中学校のいくつかの校庭に屋外照明器具を稼働させるための機械が置かれています。特殊のメダルを入れると一定の時間に屋外照明が点灯します。一定の時間経過したら照明器具が消灯する、タイマーを含まれたシステムです。このタイマーの考えを使って本スマート予約システムも組み込めるのではないかと思います。現在の機器構成にリレーを制御するタイマーを追加すれば、iDoorsにワンタイムパスワードで認証すると、信号をタイマーに送信し、予めに設定したタイマーの時間のカウントダウンを開始します。リレーに接続されている機械(照明等)はタイマー時間内であれば自由に使えますが、タイマーの時間が経過したら使えなくなります。
この仕組みを使えば上記の様に屋外照明器具にも使えますが、他に使い方もあります。
- 貸し会議室/個室事務
- ビデオボックス/インタネットカフェ
- 野球場/バスケットコート/サッカーフィールド等
- パデル/屋内テニスコート等
- サウナ(北欧人ならではの発想)
- 等々
無人化したところで、確実に時間を待っているとは限らないので、強制的に時間を守って頂ける様に電気や照明などを切断する仕組みであれば、退室させることもできます。それに伴い、稼働率の向上につながる効果があると思います。
鳥取市 スマート予約システム の横展開について
他の自治体の小中学校等は勿論視界に入れていますが、ほかにもアクセスしにくい所や通常は鍵をかけているけど非常時に解錠できる必要があるインフラ設備にもこの仕組みはニーズがあると思います。
- 変電所
- 携帯電話の基地局
- 水位観測所
- 無人駅
上記に述べたように、特にアクセスの悪い場所にある施設が適切です。
まとめ
この3章に分けて鳥取スマート予約システムの導入経緯・システム説明・改善案及び展開の案について書きました。纏めた内容以外も細かい機能等があり、私が考えていない改善点ももちろんあるかと思いますが、少しでも面白いと思っていただければ幸いです。
本システムは少しずつ改善していきますので、新しい機能等を導入した際はフォロアップ記事を書かせて頂きたいと思います。
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